初めての方へお伝えしたいと思います。知っている人は読み飛ばしてください。
今の時代、100円ショップに何でも売ってます。
便利な時代になりました。
100円ショップのコスパは最強だと思います。
では、こんな時代に高いブランドのカトラリーを買う価値はあるのでしょうか?
まずは、100円ショップのカトラリーとブランドカトラリーの違いから説明していきます。
違い(1) 材質
100円ショップで販売されているカトラリーの材質はステンレス。
ブランドのカトラリーも大半はステンレス(一部、銀製もあり)。
同じステンレス製なんです。
でも、違いがあります。
それはクロムとニッケルの含有量です。
ステンレスとは鉄にクロムとニッケルを混ぜた合金です。
なぜクロムとニッケルを混ぜるかと言うとサビにくくなり、金気(金属臭)が無くなるからです。
混ぜる量がクロム18%、ニッケル8%以上になるとサビが発生せず、金属臭も感じなくなります(0%ではありません)。
100円ショップのカトラリーはクロム18%、ニッケル0%の場合が多いです。
一方、ブランドのカトラリーはクロム18%とニッケルは8%が最低ラインで、ニッケルを10%や12%、18%以上になっているカトラリーもあります。
違い(2) 研磨
100円ショップのカトラリーの研磨は機械だけで行われています。
「ガラ研磨」と呼ばれる方法で、大量のカトラリーと磨き石を同じ箱に入れて回転させ、ぶつけ合って磨く方法です。
一方、ブランドのカトラリーは機械による研磨と手作業(※)による研磨が行われています。
※手作業と同レベルの研磨ができる機械の利用が広まりつつあります。
その違いは表面を見ると一目瞭然です。
表面が滑らかであればある程、2つの利点が生まれます。
1つ目は、口当たりが良いこと。
使っていて料理の邪魔をしません。
舌は敏感なのでわずかな違いでも感じとります。
2つ目は、ゴミやサビが溜まらないこと。
サビは金属臭の原因になり、付き過ぎると料理の味にも影響してしまいます。
違い(3) デザインとバランス
100円ショップのカトラリーは設計に掛けられる時間が短くなります。
そもそも「持ちやすさ」や「使いやすさ」を考慮している時間は無いかもしれません。
ブランドのカトラリーは「道具である以上、使いやすいさが最優先」という考え方で作られています。
デザインの全てに意味があります。
カトラリーは一般的にハンドルを太くすると持ちやすくなりますが、太くするだけでは重くなり、材料が増えコスト高にもなります。
そうならない為に、中を空洞にした「最中柄」等、ブランドのカトラリーは試行錯誤の塊です。
以上、おおまかに3つの違いを説明しました。
「だからおいしくなる」といった書き方はしませんでした。
それはみなさんが直に感じくれたら嬉しいです。
ここまで読んでブランドのカトラリーに興味を持って頂けたら、次のページ「初めてのブランドカトラリー選び」にお進みください。
職人さんによる研磨の様子
鏡にように滑らかな表面