カトラリー検定と同時開催の「燕三条 工場の祭典」。
カトラリー検定の後、せっかくなので燕市でもう1泊しました。
(新潟のお酒、お米を味わいたかったのもあって笑)
最終日は爪切りで有名なSUWADA(諏訪田製作所)さんに行ってきました。
今回訪問した中で唯一カトラリーメーカーさんじゃないのですが、人気の秘密、品質やブランディングについて現場を見てみたいと思って行きました。
アート作品の数々の正体は
今回僕が申し込んだのは工場見学です。
工場へと続くショールームで最初に目に飛び込んでくるのは人型やライオンの造形作品。
黒い金属片で作られているのですが、この正体は「廃材」でした。
爪切りを作る時、素材はステンレスの丸い棒です。
それを熱で真っ赤にしてプレスで型抜きをする。
肩抜かれた後の爪切りにならない方が廃材で、それでアート作品が作られているのでした。
ちなみに爪切りになる部分は3割、7割が廃材になるそうです。
これは無駄使いではなく、良い爪切りを作る為には必要な7割なのだそうです。
商品バリエーション
全く知らずに行った自分と、同じように知らない人の為に簡単に説明します。
爪切りのバリエーションは約15種類。
材質はステンレスが主ですが、モリブデン製(より硬い)もあります。
また表面加工にはツヤ消しとミラー仕上げがあり、ハンドルに樹脂を採用した滑りにくいものもありました。
また、爪切り外にも盆栽用のハサミ等も製造しています。
職人さんが案内する工場見学
工場見学では、丸い棒から爪切りになるまでの工程を45分程掛けて見させていただきました(残念ながら撮影はNG)。
一般の人でも、部屋の外からガラス越しに作業現場を見れますが、実際に工場の中で見るのとは全然違うので、工場見学をお勧めします。
職人さんの手元が間近に見れて、集中していて真剣な雰囲気が伝わってきます。
解説では「この時職人さんは目じゃなく手で感じながらやってます」とか「あそこに拡大鏡がついていて100分の1ミリ単位で確認しています」のように説明もしてもらえます。
ちなみに諏訪田製作所さんの工場見学では製造を行う職人さんが案内してくれます。現場の職人さんの生の声はとても貴重でした。
最終工程の刃を薄くする研磨工程を幸運にもベストポジション(1mも離れてない距離)で見れた僕は、職人さんの手元、真剣な眼差しを見て、この瞬間「この爪切り買おう」と決めたのでした。
名物のブラックやきそば
工場見学の後、ショップ&カフェへ。
ここでは爪切りの試し切りをして商品を選んだり、カフェで休憩もできます。
先日行った小林工業さんで「諏訪田製作所さんの焼きそばがおいしいよ」と聞いていたので食べました。
具はなし、紅ショウガだけの黒い焼きそば。
油のからみ具合が良くて本当に美味しかった!
学んだこと
最初に学びたいと書いた「高品質さとブランディング」について。
高品質の理由は工場見学で職人さんの真剣さや、製品になる合格基準を聞いて理解しました。
工場の色は黒で統一され、他のどの工場よりも洗練されていました。
パンフレットを見ると「開かれた工場」との文字があり、確かに見せる工場になっています。
商品以外の部分も作り込まれていてそれがブランディングになっていると思いました。
爪切りオススメです。
購入前に試し切りしました。
切った後、やすりをかける必要がありません。
ちょっと不安に思っていた握り心地も大丈夫でした。
ニッパーのような形なので普段使っている爪切りから持ち替えると違和感を覚えるかと思いましたが、自然と慣れました。
今家にある爪切りはどこで買ったかわかりませんが、少なくとも3代目。
つめ切りが変わる度に握り具合が変わるし、切った爪が飛んでいくものもあったし(※SUWADAの爪切りでも勢いよくパチンとやると飛んでいきます。)、きしむ音がするものもあったし、そしてどれも切った後はやすりがけが必要でした。
そんな事を考えたら、SUWADAの爪切りはとても満足度が高いです。
高価なものだけど一生ものだと思いました。
また指先が綺麗だと不思議と自分に自信が出る気がして良いです。
話が長くなりましたが、カトラリーもSUWADAの爪切り同様に一生ものだと思うので、みなさんに上手に紹介していけるよう頑張ります。